家づくりコラム

2020.07.03

「木造と軽量鉄骨造 どう違う?」
【ハウスメーカー社員が書く家づくりコラム_Vol.10】

コラム『いつかは夢の家づくり』

ハウスメーカーの社員 って どんな家に住むのかな? どうやって家づくりを進めていくのかな? って 皆さん 気になるんじゃないかな、と思ってこのコラムを書き始めました。

とある社員の家づくり記録を基に、これから家づくりをはじめる皆様のお役に立てるようなコラムをおとどけしています。

 

今回は Vol.10_「木造と軽量鉄骨 どちらがいい?」という記事です。

 


 

木造住宅イメージ画像

住宅展示場へ行くと いろいろな工法で家を建てているメーカーがいます。

木造軸組工法 木造2×4工法 木造2×6工法 軽量鉄骨造2×4工法 などなど。

鉄筋コンクリート造もありますが 戸建住宅では一般的ではありませんね。

 

今回は 木造 と 軽量鉄骨造 について 比べてみましょう。

 


 

なんとなく 木造より 軽量鉄骨造の方が 地震に強そうなイメージが ありますでしょうか?

ありますよね きっと。

 

実際 「木」 より「鉄」の方が 強いですからね。

木より鉄の方が 固いし重いし燃えないし。
ドラクエでも ひのきのぼう とか こんぼう より はがねのつるぎ の方が 相当強い。

 

じゃあ 「木」と「鉄」を使ってつくる 「木造住宅」と「鉄骨造住宅」だと どうでしょう。

 

これ 比べられないと思うんです。

 

「木」と「鉄」は 「鉄」の方が強い

「木の柱」と「鉄の柱」も 「鉄の柱」の方が強い と思います。

それを組み合わせて 家 の形にしたとき どうでしょう。

筋交いなしで 柱と梁だけだったらまだ 「木造住宅」より「鉄骨造住宅」の方が強いかな きっと。

柱と梁だけだと 大地震に耐えられないので 筋交いやブレースを入れて 耐震性能を確保します。

耐震イメージ画像

この時点で どちらの建物も 耐震性を十分確保できる量の筋交いを入れますので

どちらも耐震性は変わらない と言っていいのではないでしょうか。

間取りによって 筋交いを入れる位置や 入れる数が違ってきます。建物全体で 地震力に耐えるために必要にして十分な量の筋交いを 配置のバランスも良くなるように 入れていきます。

木造 軽量鉄骨造 どちらでも 耐震等級3 取れますよ。

 

木造か軽量鉄骨造か なんてことよりも 建物の形が 極端に細長い とか 壁も柱もないやたら広いリビング とか 南側全面窓ガラスだ とか そんな間取りにしたときの方が 耐震性能を確保するのが難しくなります。

 

あ あと 先ほど  「木」 より「鉄」の方が 強い と書きましたが それは 同じ面積・体積で比べたときの話。

例えば同じ太さ・長さの木の棒と鉄の棒を比べたら 鉄の棒の方が強いけど かなり重いですよね。

木造の住宅メーカーは 「鉄」より「木」の方が強いんですよ! と言って説明をしますが 同じ重量で比べたときには 「鉄」より「木」の方が強い ということになります。

 


 

しかし 実際 家を建てるときは 木造住宅と軽量鉄骨造住宅で 柱や梁の形も違うし 数も違います。

木造住宅の柱は3.5寸角や4寸角の角材ですが 軽量鉄骨の柱は中空の角材だったりC型だったり 梁はI型だったりします。

材料として 「木」より「鉄」の方が強いので 軽量鉄骨の柱は 木造の柱より 断面積を小さくすることができます。

木造も 軽量鉄骨造も 地震に耐えるために必要十分な柱・梁・筋交いを 経済的にも効率の良い形状・寸法・数量でつくっていきますので 材料としての「木」と「鉄」を比べても 木造住宅と軽量鉄骨造住宅の比較にはつながりません。

 

火事イメージ画像

あと 軽量鉄骨造の方が火災に強い なんていうイメージもあるかもしれませんが 軽量鉄骨造だって 柱や梁が鉄骨なだけで 床とか間仕切り壁とか建具とかカーテンとか家具とか 木造と同じですからね。最初に燃えるのって 家自体ではなく 家具やカーテンや内装材じゃないですか。木造も軽量鉄骨も家の中の燃えやすさは 同じです。

 

いざ火が出て 構造材にまで火がまわってしまったらどうでしょう。木の柱や梁は 表面が燃えて炭になり 断面積が小さくなりますから 構造的にも弱くなります。

鉄骨の柱や梁は 温度が上がると耐力が落ちて家を支えられなくなります。

 

耐震性も 火災への強さも 木造と軽量鉄骨造で比較なんてできない というか どちらも同じ と 個人的には思っています。

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